1.ラットの生態(概要、複数飼育、体重、寿命、性別判定)

【ラットってこんな生き物】

本来は夜行性だが、ペットとして飼育されているものは日中でも起きていたりする。飼い主の生活リズムにラットから合わせてくれるうえ、状況を判断し「会社(学校)に行く時間になると扉の前で待っていてお見送りする」など可愛らしい行動を見せてくれるラットもいる。

性格はネズミとは思えないほどの賢さと愛らしさに満ちている。
・犬のように懐き
・名前を覚え
・飼い主を認識し
・状況を判断できるほど賢く 
・肩乗り、ポケットネズミなど、人から離れない甘ったれもたくさんいて
・ペットとして複数で飼育されてきたラットは噛むことがあまりない

しかも飼育がしやすく病気にも強くて丈夫である。フェレットのように体臭が強いわけでもないので掃除さえしていればラット本体はそれほどにおわない。
餌として特別に高額なものを用意する必要もない。飼育用品しかり。
役所への登録や予防接種、マイクロチップなどが義務付けられているわけでもない。

ハムスターはどちらかといえば人間が可愛がるだけの一方通行の愛情と言えよう。
しかしラットは愛情に対して愛で返してくれる数少ない小動物だ。
他の小動物と暮らした経験のある人ほどラットを飼育しはじめてその違いに驚く人が多い。

ラットは一緒に暮らし始めたその日から幸せを分かち合える、最高の小動物なのだ。


【ラットの複数飼育、飼育開始時期】

ラットは基本的に群れで暮らし、成獣の雄同士であっても、幼獣と成獣であっても、異性であっても、どんなパターンでも仲良く暮らすことができる個体が多い。ただし、これはshippobank育ちのラットに関して言えることであり、餌用、もしくは単独飼育がメインで個体の持つ協調性を鑑みられることなく代々育てられてきた個体群には一概に言い切ることができない。

shippobank育ちのラットであっても長く一匹で飼育していると、性別に関係なく他のラットと仲良くできなくなってしまうものもいる。できるだけ最初から複数で飼育したい。

勘違いされがちだが、雌だから複数飼育に向く、雄は向かないと言うことはない。この怪情報に惑わされている人が多い。当方今までの何十年かの間に数百で済まない個体を扱ってきたが、そんな事実はどこにもない。ネットの情報は「ここの飼育環境ではタマタマそうであった」という内容が誠しやかに定説となりがちである。ラットの幸せを思うなら怪情報にばかり惑わされないようにしていただきたいと思う次第である。

雄も雌も基本的に複数飼育は問題ない。
しかし、相性の合わない個体同士というのは実際に存在する。
雄同士は最初からダメな個体同士は揉めてうまくいかないことが多い。これはすぐにわかるからよい。飼育していく中で揉めるものもいるが、決しておとなになったら雄同士は一緒に飼えないという話ではないので、情報の内容の受け取り方には注意したい。
問題は雌で、今まで一緒に暮らしていたのが突然揉めて怪我をするほどいじめられることもある。これは同腹だろうがなんだろうが関係ない。ある日突然陰湿ないじめが始まる印象だ。もっともこちらも雄同様、おとなになったら一緒に飼えないという話ではない。

兄弟姉妹だから、年齢が近いからといって仲良くできるという話を好む人は多いが、残念ながらどれほど数多くのペット用のファンシーラット達を扱おうとと実感がない。

飼育開始時期について、幼いうちから飼育を始めなくてもラットは十分よくなつく。母親や兄弟との暮らしが短い動物は落ち着きがなかったり、問題行動をおこすものも多い。ペットショップで離乳もすんでいない犬猫が販売されていることが多いが、ある程度親元で過ごしてから新しい飼い主の家に行く犬猫よりも問題行動が多くなるとこが指摘されている。
ラットでも幼児誘拐のような飼育はできるだけ控えられ、ちゃんと落ち着く月齢になったものを飼育することが望ましい。
また、一匹よりも複数で飼育した方が安心感と落ち着きがでて、より飼育がしやすくなるように思える。

【ラットの体重、寿命等】

ラットはまず性別により体格に差がでる、性的二型を示す小動物だ。雄の方が雌よりも一回りほど大きくなる傾向にある。個体によっての差も激しく兄弟間の同性であっても体重の差が
開くものもいる。
さらには、特に餌用として近親交配の弊害などに配慮されずに累代されてきた個体群は体型が小型化しているものや、体質が虚弱になっているもの、性質が凶暴だったり臆病なものも見受けられる。

餌の内容によっては著しい肥満を起こすものもあり平均体重は一概には言えないが、雄の成獣で300から500グラムを超える位の体重のものが多い。雌では250から400グラム弱のものが多い。

小柄な個体ではこれよりも軽くても健康的なものもいる。また、腫瘍によって体は痩せていても体重が減少しないものもいるので、体重だけを健康の目安としないように注意したい。
骨格と肉付きのバランス、また年齢や腫瘍の有無などでその個体にとっての程よい体重は異なる。

寿命は2~3年だが、一年半を過ぎると老化で痩せてきたり、被毛がばさついてきたり、腫瘍ができやすくなる個体もいる。一方で3年を過ぎても健康に繁殖する雄もいるので、人間同様平均寿命にとらわれず、その個体に見合ったケアを心がけたい。shippobankのラットは「健康で長命」を目指しているので4歳を超えるような子も珍しくない。
ラットは雌の方が雄に比べて長命な傾向にある。餌の内容や飼育スタイルも寿命を左右するように感じる。

【雄雌の見分け方】

雄と雌の性格はその性別によっておおまかに違いを見せる。雄はおおらかで遊び好きで人にもよくなつき、雌は神経質でせわしない個体が多い。どちらもなつくと言えばなつくがペットとして考えた場合に性格的に雄の方がおすすめしやすい。しかし臭いが雌よりも強い点、及び寿命が雌よりも短い傾向にあることが雄のデメリットとしてあげられる。

生後一ヶ月ほどで離乳も終わり性別も確認しやすくなってくる。
性別判定は肛門と生殖器の距離及び睾丸の有無で判断する。雄は距離が長く、その間に睾丸がはりだしている。
ラットの雌は、ハムスターに比べて肛門と生殖器の距離が離れているので、慣れない人は戸惑うところもあるかと思う。その場合は主に睾丸の有無で判断するとよいだろう。
ただし雄でも睾丸が降りてくるのが遅いものがいるので判別しずらい個体もいる。

雄の睾丸は暑い時期にはよくはりだし、涼しい時期にはそれほどでもない。精子を高温から守るためのシステムがしっかりラットの中で働いているのがわかるシーンである。


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